スピーキングの評価基準「流暢さ」と「一貫性」について
試験官は「流暢さ」と「一貫性」をもとに受験者の英語力を評価します。この2つの評価項目についてしっかり理解しておきましょう。
流暢さ
話す内容を考える時間を稼ぐために話の途中で止まったりくり返したりすることなく、自然な速度で話す能力を指します。
文章を書く際にピリオドを使うように、人と話すときも文章の終わりや始まりには自然な間(ま)を入れますよね。適度な間は、聞き手が文章の区切れを理解する助けになります。
受験者の発言が自然な間や、”well”, ”I mean”などのつなぎ言葉を使ってまとめられていれば、試験官にも伝わりやすくなりますよ。
ただし、返答に詰まって「長い間」を入れてしまうと、試験官は話の流れを見失ってしまいます。流暢さを示すためには自然な間を意識しましょう。
一貫性
自分の考えを論理的に伝える能力を指します。試験官とコミュニケーションをとる際に重要なことは、受験者が話す内容を試験官が充分に理解できるかどうかです。
受験者がどんなに流暢に話していても、質問に対する答えになっていなかったり、理由と結論が論理的に繋がっていなかったりすると、一貫性に欠けてしまします。自分の発言が質問から外れてしまっていないか意識しましょう。
評価項目についてさらに詳しく知りたい方はこちらから「採点方法」をご覧ください。
ディスコース・マーカーとは?
コミュニケーションを成功させるには、相手に自分の話を理解してもらうことが大切です。自分の考えを相手に理解してもらうためには、自然な間合いを保ちながら、まとまりのある話し方をすることが大切です。
IELTSスピーキングテストの評価基準である「流暢さ」と「一貫性」を示すためには、ディスコース・マーカーを使って話すことをおすすめします。ディスコース・マーカーとは、言葉と言葉を繋ぎ、伝えたい内容を整理するために使うフレーズのことです。
以下の文章の太字箇所がディスコース・マーカーです。
The food I ate last night probably gave me food poisoning, so, unfortunately, I’ve been up all night.
(恐らく昨晩食べた物で食中毒になってしまい、最悪なことに眠れませんでした。)
解説:副詞の垣根表現(発話を緩和する表現)を用いて不確実性さや悲しみを表現しています。probablyは体調不良を起こした要因がよくわからないこと、unfortunatelyはその出来事をどう思ったかを示しています。
The first thing I am going to do is show you the broken screen, then I’m going to show you how I fixed it and finally, I’m going to teach you how to fix it.
(最初に壊れたスクリーンを見せて、次にどのような形で修理をしたのか見せてから、最後に修理する方法を教えます。)
解説:説明内容を順序立てるために、ディスコース・マーカーを使用しています。
ディスコース・マーカーを使う3つのメリット
ディスコース・マーカーには以下の3つのメリットがあります。
①話す内容を考えるための時間を稼ぐことができる
質問に対する返答を考えるための時間がほしいときは、ディスコース・マーカー”Let me think about that for a second….”などを使えば、話の展開を自然に数秒間止めることができます。
②言葉と言葉を繋ぎ、話の内容を整理することができる
ディスコース・マーカーを使って伝えたい内容を整理しながら話せば、一貫性を保つことができます。例を挙げるときは“For example….”、結論を言うときは”As a result….”などで話を切り出すことで、試験官が話の流れを理解しやすくなります。
③返答時の気持ちを伝えることができる
受験者が次に言う内容を考える際に”umm”や”err”などと言ってしまうと、試験官は受験者が言葉に詰まっている理由(質問を聞き取れなかった、など)がわかりません。
ひとこと ”Let me think about that for a second….”と伝えることで、「質問の意味は理解できています。話す内容を考えるための時間がほしいのです。」と試験官にアピールすることができますよ。
IELTSスピーキングテストで使えるディスコース・マーカーまとめ
どのディスコース・マーカーをどのタイミングで使うかは重要です。嬉しい話をするときに、失望や悲しみを表わす”unfortunately”を使って話し始めては、内容がうまく伝わりませんよね。
ディスコース・マーカーを機能ごとにまとめました。IELTSスピーキングテストでも役に立つので、ぜひ使いこなせるようにしましょう。
順序・順位付け
First, the first thing, first of all, firstly, the next one, to begin with, moving on to the next reason, secondly, thirdly, subsequently, on top of that, later, after this, finally
付加情報
Another thing that comes to mind, also, and, besides, additionally, another good example of this is, another reason for this, and one more thing
意見や態度の表示
Unfortunately, however, actually, to be honest, definitely, essentially, frankly, basically, clearly, I’m afraid, if you ask me, sadly, thankfully, in fact, seriously, as a matter of fact
比較
Similarly, in the same way, equally, likewise, in a similar fashion, if I compare it to my country
対照・対比
However, although, instead of, despite, on one hand, on the other hand, in the opposite way, in contrast, whereas
例示
A great example of this is, for example, for instance, a personal example is, in other words, a striking example of this, a classic example is, a clear example of this can be seen, such as, illustrated by
引き延ばし
Let me think about that…, that’s a difficult/interesting question, I haven’t thought of that before, well…, actually, basically,
結果
As a result, because of this, therefore, consequently, so, then
総括
Generally, broadly speaking, as a rule, on the whole, it is often said that…, in most cases, the vast majority of, a small minority of
ディスコース・マーカーを使うときの注意点
ディスコース・マーカーはとても便利ですが、使いすぎると逆に話の内容がつかみづらくなるので注意が必要です。ディスコース・マーカーを使いすぎている例を見てみましょう。
To start with, I really like studying English. Firstly, it is interesting, secondly it is challenging, thirdly I meet new people and fourthly I learn about other cultures. However, I must say that I find it difficult because of four things. Firstly, the grammar, secondly, the punctuation, thirdly….
(はじめに、私は英語の勉強がとても好きです。1つ目は面白いから、2つ目はやりがいがあるから、3つ目はさまざまな人たちに会えるから、4つ目は他の文化について学べるからです。しかし、英語を勉強する際は4つの難しいことがあります。1つ目は文法、2つ目は句読点、3つ目は….)
同じようなディスコース・マーカーが繰り返し使われていて、どれが何を修飾しているのか見失ってしまいますよね。ディスコース・マーカーの多用には注意しましょう。
まとめ
IELTSスピーキングテストでディスコース・マーカーを使う重要性はおわかりいただけましたか?今一度ディスコース・マーカーの役割をおさらいしましょう。
言葉と言葉を繋ぎ、話の内容を整理することができる
意味を持たない”umm”や、長い間を防げる
話の内容についてどう感じているか示しながらコミュニケーションをとることができる
IELTSスピーキングテストの評価基準である「流暢さ」と「一貫性」を示すことができる
ディスコース・マーカーを上手に使うことで、スピーキングテストの出来栄えをよくすることに繋がりますよ。流暢さと一貫性を試す準備ができたら、IELTSの公式練習問題を使って実力を確かめてみましょう。
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