IELTSには、アカデミック・モジュール(以下アカデミック)とジェネラル・トレーニング・モジュール(以下ジェネラル)があります。それぞれで試験内容や役立つシーンが異なるため、自分の目的に合う方を選んで受験する必要があります。一例をあげると、留学で利用できるのはアカデミック、海外移住・永住権申請に利用できるのはジェネラル、とされています。今回は、アカデミックとジェネラル、それぞれの特徴と違い、どちらを選ぶべきか、などの情報を紹介します。
IELTSの種類1~アカデミック・モジュールとは
◇アカデミック・モジュールの概要
アカデミック・モジュール(以下アカデミック)は、英語圏の大学や大学院への留学を希望している受験生が、各大学の入学レベルに達しているか評価する際に用いられるテストです。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学では、このアカデミックのスコアが入学許可の基準となっています。特徴としては、大学の講義、学術論文、専門家の講演といった学術的な会話や場面を想定した課題や設問が多く出題されます。
◇アカデミックのテスト内容
アカデミックのテスト内容は、ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの全4科目です。テストの所要時間は、合計約2時間45分で実施されます。
※ペーパーで受験するIELTSなら約2時間55分
なお、ライティングとリーディングについては、ジェネラルと問題が異なります。先にも触れた通り、アカデミックは、学術的で難易度の高い内容が多いですが、スコアを取るために必要とされる正答率は、ジェネラルより低く設定されています。
IELTSの種類2~ジェネラル・トレーニング・モジュールとは
◇ジェネラル・トレーニング・モジュールの概要
ジェネラル・トレーニング・モジュール(以下ジェネラル)は、英語圏での就職や移住を希望している人が、ビザを申請する際に英語力を証明するためのテストです。IELTSジェネラルのスコアや他の諸条件を満たせば、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの永住申請が可能になります。ジェネラルでは、日常生活や職場でのやり取りを想定した課題や設問が多く出題されます。
◇ジェネラルのテスト内容
テスト科目と所要時間は、上記で説明したアカデミックと同じです。
しかし、ライティングとリーディングの問題については、アカデミックと内容が異なり、日常生活で使われる一般的な英語が出題されます。ジェネラルはアカデミックと比較して内容も理解しやすいため、全体的な難易度は低いですが、スコアを取るために必要とされる正答率は、アカデミックより高く設定されています。
【2種類のIELTS】アカデミックとジェネラル共通の試験情報
2種類のIELTSテストに共通する受験料、スコアの評価方法、受験の申込方法を説明します。
◇受験料
受験料:27,500円(コンピューター形式・ペーパー形式)※2024年2月現在。
◇バンドスコア
IELTSは1問1点などの配点式ではなく、1~9まで0.5刻みのバンドスコアで評価されます。4科目のセクション別のスコアと、4科目の平均点(オーバーオール・バンドスコア)が出され、このオーバーオール・バンドスコアがIELTSの総合評価となります。
詳しいスコアの評価方法はこちらをご覧ください。
◇受験申込方法
IELTSはインターネットで受験を申し込むことができます。
詳しいお申込み方法はこちらをご覧ください。お申込には試験日当日に有効なパスポートが必要です。
準備が出来たら、受験申し込みをしましょう。
【2種類のIELTS】アカデミックとジェネラル、どちらを受けるべきか?
アカデミックとジェネラル、どちらを受験するべきかをケース別に解説します。
自分の目的に照らし合わせて、どちらを受験すべきかを選択しましょう。
◇アカデミックを受験するべきケース
アカデミックは、学術的な英語力が求められるシーンで必要とされるテストです。
具体的には、以下のような場面でアカデミックのスコアが求められます。
・学士および修士学位を取得するための留学をする場合
・AO入試や推薦入試でIELTSが活用されている日本の大学に出願する場合
・イギリスの大学に入学するための学生ビザ(Tier4)を申請する場合
・英語圏の専門的な機関で就労する場合
◇ジェネラルを受験すべきケース
ジェネラルは、英語圏で生活するための実用的な英語力が求められるシーンで必要とされるテストです。具体的には、以下のような場面でジェネラルのスコアが求められます。
・学士以下の留学やトレーニングに参加する場合
・英語圏での一般的な就労・職業訓練を希望している場合
・英語圏の国へ移住する場合
・日本での就職やキャリアアップを目指している場合
IELTSテストは、目的にあわせたモジュール選びを
IELTSには、アカデミックとジェネラルの2つの種類があるため、それぞれのテストタイプの用途や特徴を理解した上で、自分の目的に合う方を選んで受験するようにしましょう。また、ライティング、リーディングに関しては、アカデミックとジェネラルで内容が異なるため、それぞれにあった試験対策をすることが大切です。
さらに詳しい情報については、IELTS日本公式サイトをご覧ください。