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IDPでは「リンガスピーチアワード 2024」に後援し、優秀者3名の皆さんにIELTSの受験をプレゼントしています! 英語を母語としない小学校5〜6年生・中学生・高校生が参加できるコンテスト(参加無料)なので、ぜひ挑戦してみませんか?

「リンガスピーチアワード 2024」を監修するのは、IELTSに関する出版書籍数の日本一を誇る嶋津先生。本インタビューでは、英語教育者としての嶋津先生の歩み、そしてスピーチアワードへの想いを聞きました!

嶋津 幸樹(しまづ こうき)先生

Shimazu sensei photo - Japan

タクトピア株式会社 英語教育開発推進事業ディレクター
山梨県生まれ、上海在住。17歳の時に海外進学塾を創業、大学在学中に3校を経営し、24歳で売却。高校生時代に体験したホームステイでの厳しい体験をバネに独学でIELTS 8.0を獲得し、オックスフォード大学・ロンドン大学(UCL)の修士課程にダブル合格。ケンブリッジ英語教授法資格CELTAを取得。ロンドン大学教育研究所応用言語学修士課程修了。世界で最もイノベーティブな教育を実践する英語教師に贈られるPearson ELT英語教育ティーチャーアワード2017を世界108ヶ国1395名の応募から選出され受賞。日本全国30,000人以上の中高大学生に講演やイングリッシュキャンプを実施。中高生向けオンライン英語学習プログラム「リンガハッカーズ」監修。|X note

日本から飛び出して初めて知った本質的な英語教育の重要性

日本の英語教育、そして高校時代の自分に対して怒りと苛立ちを抑えきれずに日本を飛び出したのが17歳の時。その際に受けた日本人差別が原体験となり、今もそれを原動力として活動を続けています。当時感じたのは、意見を求められた時に自分の口から何も出てこないこと、英文法の正確さが気になり瞬発的に反応できないこと、そして何よりもモジモジしてしまうこと。これは僕だけでなく、多くの日本人英語学習者に共通するコミュニケーションスタイルで、一歩世界に出ると全く通用せず、相手にすらしてもらえない現状があります。

さらに、日本に帰ってみれば本番一発のみの試験結果で人生が決まってしまう大学受験システムが待ち受けていました。自分は何のために勉強しているのだろうと悩み切った挙句に、地元の後輩に英語を教えようと決意したのです。

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(自宅に後輩を集め英語を教え始めた17歳の写真)

高校時代に英語塾を起業・売却、そしてオックスフォード大学院へ

17歳から24歳まで無我夢中で英語を学び、後輩に英語を教えてきました。そこで教えてきたのは英語だけではなく、文化的背景の異なる相手に対して動じず、相手の目を見て自分の考えをはっきり述べるグローバルコミュニケーションスキルです。試験や受験のためだけに対策を繰り返す「英語バカ」にはなってはいけないと訴え続けました。30歳になった時のセルフイメージを作り、瞑想を通して目標設定と振り返りを淡々と繰り返す。今思い返すと相当意識の高い集団だったと思いますが、当時の教え子の多くは英語を使って世界中へ羽ばたいていきました。

教え子たちの活躍を目の当たりにして、さらに自分を追い込もうと英語塾を売却。その資金を元手に、オックスフォード大学院への留学を決意します。

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(17歳から24歳まで英語を教えた教え子たちとの別れの写真)

大学3年生で出逢った世界基準の英語試験IELTSに衝撃

オックスフォード大学院の受験条件を調べていた時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。志望動機や推薦状などに加えて“IELTS”という言葉が目に飛び込んできました。当初はこの文字が読めず、「イエルツ」って何だろう?と疑問に思ったところから僕のIELTS人生が始まったのです。それまで国産の英語試験である英検やTOEICでスコアアップの快感を味わってきた僕は、その壁の高さに絶望しました。もっと早くIELTSに出会いたかったというのが本音です。

IELTS7.5を取得するためにIELTSの参考書を買い漁り、IELTS対策に人生を捧げました。受験をすればするほど奥が深いIELTSは人生で最も苦しめられた英語試験であり、同時に最も魅了された英語試験だと感じています。

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オックスフォードで求められたのは英語力ではなく、自分を語るスキル

その後、無事にIELTSのスコアをクリアして意気揚々と渡英したわけですが、本当の苦難はそれからでした。英国で待ち受けていたのは、英語力を超えた本質的なコミュニケーションスキルを持つ人々との圧倒的格差です。なぜここにいるのか、どんな人生を歩んできたのか、何を実現したいのか、流暢な英語で自分を語る同期とは裏腹に、ただの英語バカであった僕はただただ無力感を抱くばかりでした。そこには英語試験のスコアアップのための試験対策を繰り返し、かろうじて取得したIELTS7.5のみでは全く通用しない世界があったのです。

英語だけをがむしゃらに勉強してきた僕は、もっと重要なスキルの欠如に気づきます。それは、「自分は何者でなぜここにいるのか」「これまでの人生がどのように自分に影響してどのような考えを持っているのか」「どのような人々と議論・協働した経験があり、どのように社会貢献を果たしてきたのか」といった問いに答えるための自己理解力、そしてそれを言語化する能力でした。

立食パーティーで会話の輪に入れず、大学のガーデンでひとり立ちすくみながらこの本質的な問題を発見した僕は、新しい教育プロジェクトの立ち上げを決意します。

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理想の英語教育を追求した英語学習プログラム、リンガハッカーズ始動

3年間のイギリス留学を経て日本に帰国した僕は、自分の言葉で自分を語ることの重要性を全国の小中高生に伝えていきたいと強く願っていました。留学中に出会った若者の多くは幼少期の海外経験や中高時代の刺激的な国際交流、そして学校の勉強の枠組みを超えた海外大学進学塾に通った経験がありました。幼少期や多感な中高時代の原体験が自分を語る上でいかに大切であるかを実感した瞬間でした。

とはいえ、誰もが海外居住や国際交流の機会に恵まれているわけではありません。高価な学費が必要な海外大学進学塾ともなればなおさらです。なんとか、日本全国の若者に向けて、大きく生活環境を変えなくても世界と繋がり自分を語る力を育める学びの機会を提供できないか。無謀とも思えるこのテーマに真正面から取り組み、最適解を模索した結果、全国の小中高生を対象としたオンライン英語学習プログラム「リンガハッカーズ」を生み出すに至りました。このプログラムでは高校卒業までにIELTS6.5を目指しながら、背景が異なる全国の仲間との対話や議論を通して本質的な英語を学びます。

また、年に一度「リンガスピーチアワード」を開催するなど、腕試しの機会も設けています。受賞者には僕の書籍をプレゼントしたり、IDPからはIELTS受験料を負担して頂いたりといった賞品も用意しています。

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(リンガハッカーズのオンライン授業の様子)

17年間の英語教育活動、そして上海移住を決意!

そして今年、僕はIELTS先進国である中国・上海に移住するという一大決心をしました。ここでは多くの中高生がIELTS受験に向けて本気で英語を勉強しています。彼らの多くは幼稚園の段階で英語を浴び始め、中学校ではドイツ語やフランス語などの第二外国語の勉強を始めることも珍しくありません。上海では10年以上前からIELTSブームが起きていて、指導経験豊富で優秀なIELTSエキスパートの争奪戦が起きているのが現状です。

日本でも2024年に一気にIELTSのブームが起き始め、これまでIELTS講演の機会を頂くなど深いお付き合いのある東京都の佼成学園中学校・高等学校、鳥取県の青翔開智中学校・高等学校がIDPによる「IELTS推進校」に選ばれています。またIELTSの指導が求められる英語教員からの相談も増え、昨年は立命館アジア太平洋大学の英語の先生向けのワークショップなども開催しました。上海に3年間身を置くことで、最先端のIELTS教育を学び、日本に持ち帰って日本の英語教育に貢献したいと願っています。

今年も開催決定!IDP後援「リンガスピーチアワード2024」

今年も全国の小中高生を対象とした「リンガスピーチアワード 2024」を開催することになりました。今回のテーマは「Home/ホーム」です。homeには「家」以外にも「自宅」「家庭」「生まれ故郷」など、多様な意味があります。自分にとってのhomeとはどのような場所なのか?レベル別に60秒の個人スピーチ動画をお送り頂くだけでご参加いただけます。

昨年度は全国500名以上の小中高生にエントリーいただき、豪華賞品の授与や最優秀者へのインタビューなどが実施されました。今年はさらに多くのスポンサー企業に協賛頂き、賞品のラインナップも増えています。レベル3の優秀賞3名にはIELTS IDPからIELTS受験料を負担していただきます。昨年度、優秀賞を受賞したリンガハッカーズ受講生である高校1年生のSosukeはIELTS受験で7.5を取得し、話題になりました。審査基準は英語力だけでなく、独創性なども評価されるので、伝えたい想いがあることの方が重要です。

全国の小中高生にチャンスを与えたいという想いから参加費などの費用は一切かかりません。僕自身は中高生の時にこうしたスピーチ大会にはまったく参加しないタイプでしたが、今振り返るとこういう挑戦を続けておけば違う世界が見えていたのかもしれないと、悔しさを感じています。応募期限は2024年12月22日(日)です。全国の小中高生からのご参加をお待ちしております!

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昨年度優勝者インタビュー記事一覧

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