独立研究で明らかに: IELTSのハイスコアと大学の学業成績には「有意な相関」
大学生活を見据えて──IELTSで築く英語力の土台
IELTSアカデミック・モジュールのスコアは、国内外への大学出願や入学審査などに幅広く活用されています。しかし、IELTSで高スコアを取得する意義は、出願目的のみにとどまりません。IELTSの受験対策で培われる英語力は、入学後の大学生活や学びの質にも直結するという研究結果が今、注目を集めています。
カナダ・ヨーク大学のKhaled Barkaoui教授が実施した大規模な縦断的研究 “The relationship between language proficiency and academic performance: A longitudinal study of international students”では、非英語圏出身の大学生6,481名(92カ国、57“言語)のデータを2016年〜2019年にかけて分析しました。
その結果、IELTSスコアの高さと、大学1年目のGPA(成績評価)との間に有意な相関があることが明らかになりました。特に、社会科学・人文系・ビジネス・経済分野において、IELTSスコアが高い学生ほど好成績を収める傾向が顕著に見られました。
もちろん、過去の学習経験、効果的な学習スキル、学習へのモチベーションなども、学業成功において重要な要素です。それらの要素の中でも英語力は全ての基盤であり、留学先での学びに取り組むうえで不可欠な力といえます。
英語力が高いほど、授業の理解、ディスカッションへの参加、課題の遂行といった日々の学習活動がよりスムーズになり、自信やモチベーションの向上、そして高い学業パフォーマンスへとつながるでしょう。
さらに同研究では、高いIELTSスコアを持つ学生ほど、一時的な成績の低下からの回復が早い、つまりアカデミック・レジリエンス(学業における粘り強さ)が強い傾向があることも示されました。
これは、英語力が単なる語学知識にとどまらず、困難を乗り越えて学び続ける粘り強さにもつながっていることを示唆しています。
IELTSは「進学のためだけの英語試験」ではありません
IELTSの学習を通じて、学生は次のような実践的な力を身につけることができます:
自分の考えを論理的に英語で述べる力
専門的な文章を正確に読み取る力
大学の講義を聞き取って理解するリスニング力
エッセイなどの課題に対応するアカデミック・ライティング力
こうした力は、まさに英語圏の大学で学び抜くための必須スキルです。つまり、IELTSを学ぶこと自体が、留学後の学びを支える「基盤づくり」になるのです。
さいごに
コロナ禍を機に多様な英語試験が登場しましたが、信頼性のある英語力の指標としてIELTSを重視する大学がますます増えていることが、イギリスのブリティッシュ・カウンシルやケンブリッジ大学による調査でも報告されています。
その背景には、IELTSが長年にわたり教育現場と連携し、進学後の成功率との高い相関を実証し続けているという信頼性の高さがあります。
IELTSは大学合格のためだけではなく、その先の学びに耐えうる本質的な英語力を育てる試験です。そしてその先にあるのは、学生一人ひとりが海外で自信を持って学び、成長する未来です!