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IELTS and Teacher - Japan

松村享花先生
滋賀県生まれ、滋賀県在住。京都府立大学文学部を卒業後、滋賀県の公立高校の教諭として勤務。英検1級 IELTS7.5取得。全国通訳案内士、日本語教育能力検定試験合格。

山と田んぼに囲まれ、電車は30分に1本の滋賀県の片田舎で生まれ育つ

生まれ育ちは滋賀県の小さな町、周りがほとんど山と田んぼの環境で子ども時代を過ごしました。中学1年生のときに、学習指導要領に沿って英語の授業が始まりましたが、その頃はまさか自分が海外の大学を目指すことになるなんて夢にも思っていませんでした。

英語に興味をもつきっかけになったのは、アメリカのワシントンから来たALTの女性が発した一言でした。「Find your partner」と言ったときの発音が、日本人の先生の英語とはまったく違って聞こえたのです。その違いが強く印象に残り、「自分もこんなふうに発音できるようになりたい」と思うようになりました。それ以来、ラジオなどで毎日英語を聞き、発音だけは誰にも負けたくないという気持ちで、音をまねる練習を続けました。

ALTの先生が自分の目指すべきロールモデル

今思えば、かなり勇気のある行動だったと思いますが、ALTの先生をプライベートでピクニックや京都へのお出かけにお誘いし、先生の発音を録音してひたすら真似していました(笑)。休み時間はALTの先生と喋るために早めにご飯を食べて、毎日話しに行くようにしていました。まさに、滋賀県における英語学習の最大のリソースをフル活用している感じです。

高校2年生のときには、滋賀県代表としてミシガン州との高校生相互派遣事業に参加し、アメリカで3週間のホームステイを経験しました。また、ホストファミリーとしてアメリカの高校生を受け入れたこともあります。

さらに、スピーチコンテストにも挑戦し、入賞した際には審査員から「日本人の発音には聞こえないね」と言われ、とても誇らしく感じたことを今でも覚えています。

こうした経験もあり、高校2年生で英検2級に合格し、定期テストでは毎回90点以上をキープしていました。そして何より、英語を使ってもっと広い世界を見てみたいと思うようになりました。

親から告げられた地元志向の進路選択

実は中3の時にオーストラリアから来た日本語教師の先生に出会う機会がありました。その先生の影響で、海外と日本をつなぐ仕事に憧れるようになり、日本語教師になりたいと親に伝えたことがありました。しかし、その想いは届かず、両親からは「海外に行くことになるなら、地元で働きなさい」と伝えられ、当時は海外に行くことは無理なんだと諦めていました。

大学進学を考える際に親に相談をしても、やはり地元志向が強く、密かに憧れていた東京外国語大学への進学も認めてもらえませんでした。「家から通える国公立しかダメ」と言われたのです。

最終的には、自宅から2時間かけて通える京都府立大学に進学しました。大学入学時点では英語教員になることは一切考えていませんでしたが、英語と教育に興味はあったので、「親にとっても安心できる職業」として、地元の英語教員をめざすことを決意しました。

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大学時代と留学生活、IELTSとの出会い、閉ざされていた世界が広がっていく瞬間

大学入学時に受けたTOEIC L&Rのスコアは725点でした。周りの学生と比べても高いスコアで、当時は英語の教員になるための英語力としては十分かと思っていました。京都府立大学で印象に残ったのは、英語学の授業で学んだ「World Englishes(世界諸英語)」という英語の多様性に関する概念です。「正しい英語=アメリカ英語」と思い込んでいた私にとっては、大きな衝撃でした。

大学2年次の夏からは休学し、カナダに1年間留学しました。留学当初は英語に対してある程度自信を持っていましたが、ある日、自分以外の全員がインド出身というクラスを受講することになり、インド英語の聞き取りに苦戦しました。それまで慣れ親しんできた北米英語との違いに戸惑い、英語の多様性を実感しました。

世界では、ノンネイティブ同士が英語を使ってやりとりする場面が多いのにもかかわらず、日本の教育では「日本人 対 ネイティブスピーカー」という構図を前提とされていることに、改めて課題意識をもつようになりました。

IELTSは、19歳の時にバンクーバーで初受験しました。特に対策をせずに受けた結果、OA 6.0 (L6.0 R7.0 W6.0 S5.5)というスコアでしたが、それまでに受けたどの英語試験よりも難しく感じ、英語学習の道のりはまだまだ長いなと痛感したのを覚えています。この経験を通じて、IELTSのスコアをもっと伸ばしたいという気持ちとともに、自分をさらに成長させる方法はないかと模索し始めたのがこの頃です。

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憧れの存在に出会うイングリッシュキャンプに参加

SNSでさまざまな人の発信を見ている中で、高校生向けのグローバル教育に関する講演会で、生徒だけではなく「先生」にも火がついて留学を決意したというエピソードに出会いました。この時、グローバルに活躍するのは生徒だけでなく先生でも良いんだ!という気持ちが芽生え、思い切ってイングリッシュキャンプに参加してみることにしました。

学校という閉鎖的な環境では、日常生活の中で外部の人との関わる機会はほとんどないので、私にとってもこれは初めての挑戦でした。

そこで自分より年下でIELTS 7.5を取得されていた京都出身の大学生に出会い、衝撃を受けました 。英語に関しては初めて自分より凄い人に出会ったと本気で思っていました(笑)。この経験をきっかけに英語を使ってさまざまな分野で活躍している人にもっと出会い、自分もその世界に一歩近づきたいと思ったのです。

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世界を目指したいと本気で思った私が取り組んだIELTS対策

日々、生徒対応や保護者対応に追われるなかでも、「私も世界に出ていけるかもしれない」という可能性を感じるようになったのはこの頃からです。さまざまなイベントに積極的に参加し、多くの人の話を聞く中で、自分が本当にやりたいこと、達成したい目標が明確化してきたと思っています。

それからは、通勤中には毎朝のBBC の6 Minute Englishを聴き始め、帰宅後や休日には嶋津先生の『IELTSスピーキング完全対策』を音読し、本を閉じて覚えている内容を自分の言葉で再現するというプロセスを繰り返しました。IELTS受験前にはケンブリッジの公式問題集を使って、1回分を1日で解き、予定のない日には10時間集中して学習に取り組み、OA 7.5(L8.5 R8.5 W6.5 S7.0)を達成しました。

自分だけじゃない、生徒の英語の発音指導も本気で頑張りたい

自己研鑽のためにIELTS対策を続けながらも、英語教員としても本気で頑張りたいという思いから、生徒一人一人に向き合い、発音指導にも多くの時間を注いできました。一度に50人以上の生徒のスピーチを添削し、自分のモデル音声を送るなど、細かなフィードバックも行ってきました。

スピーチの経験がなかった担当生徒が、滋賀県でトップレベルの賞を受賞したり、全国大会で入賞したりするようになったときは、自分がスピーチ大会で入賞したときよりも嬉しい瞬間でした。また、「ネイティブのように話せないから自信がない」という生徒には、「伝わりやすい英語を堂々と話すこと」の大切さを伝えています。

英語教員としての仕事の傍ら、英語発音指導士®や英語発音技能検定EP-Pro®特級の資格を取ったり、ロンドン大学の英語音声学講座を受講したりもしました。ただの「英語音声好き」にとどまらず、発音指導の専門家にも近づいていけるといいなと思っています。

私は、生徒にとってのロールモデルでありたいと考えています。そのため、生徒たちにも自分がIELTSを受けていることや、世界に出てみたいという思いを率直に伝えています。現在の私の第一ミッションは、生徒一人ひとりの進路実現を支えることです。そして次に、自分自身が海外大学院に進学することです。多様な価値観やバックグラウンドを持つ人と学び合える環境で、さらに英語の多様性や伝わりやすさについて学びを深め、視野を広げたいと思っています。

IELTSはそのための最低条件であり、これからもその夢に向かって走り続けていきます。

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